著作権法④

著作者

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各論

著作者

創作者主義原則

2条1項2号。

著作者 著作物を創作する者をいう。

17条1項。

第十七条 著作者は、次条第一項、第十九条第一項及び第二十条第一項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第二十一条から第二十八条までに規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。

 著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。

例外

職務著作(15条)、映画の著作物(16条、29条)にあたる場合、著作物を創作した自然人以外の者が著作者または著作権者となる。

認定基準

判例(最判平成5年3⽉30⽇)より、文章の校正作業、アイデア・企画の提供、資⾦提供、創作物の素材の提供は、 創作的表現に関与したとは⾔えず、著作者とはならないとされる。

【判例】SMAPインタビュー記事事件(東京地判平成10年10⽉29⽇)

インタビューに応えた口述内容を基に構成された雑誌記事等の文書について、口述者が文章の執筆者とともに共同著作者となる場合、当該文書を二次的著作物とする原著作物の著作者であると解すべき場合、文書作成のための素材を提供したにすぎず著作者とはいえない場合などがあると考えられる。…あらかじめ⽤意された質問に口述者が回答した内容が執筆者側の企画、方針等に応じて取捨選択され、執筆者により更に表現上の加除訂正等が加えられて文書が作成され、その過程において口述者が手を加えていない場合には、口述者は、文書表現の作成に創作的に関与したということはできず、単に文書作成のための素材を提供したにとどまるものであるから、文書の著作者とはならないと解すべきである。

推定

14条。(省略)

共同著作

2条1項12号。

要件

  1. 二人以上の創作行為 : 事実行為について。企画の提供などは不可
  2. 共同性 : 創作が共同して行われたこと
  3. 分離利用不可能性 : 各人の寄与部分のみを取り出すことができないこと

効果

権利の帰属
  • 共同著作者間の共有
  • 持ち分は相等しいものと推定される(民法250条)
権利の行使
  • 著作権の行使には、全共有者の合意が必要(65条2項)
  • 各共有著作権者は、正当な理由なく合意の成立を妨げることはできない
  • 権利の保全行為については、全員の合意は不要(117条1項)

【判例】静かな焔事件(大阪地判平成4年8⽉27⽇)

被告Dが自己を著作者として被告出版社に許諾し、Bの闘病記を同社が出版販売。

原告A・Cは、本著の著作者はBであり、その著作権を相続したと主張、出版差止請求。

[判断]

(Dが、Bの口述をカセットテープに録音した上で、趣旨の不明な部分を聞き質して書き改めたり、結果を取捨選択して文章を補充訂正した部分について)

Dも単なる補助者としての関与にとどまらず、自らの創意を働かせて創作に従事していたと認められ…Bと被告Dが共同して創作した著作物であって、各人の寄与を分離して個別に利用することができない…

(Dが、自己の記憶や日記の他、Bが生前に作成した文章を参考とし、できるだけBの意思に沿うよう心がけて執筆した部分について)

DがBの死後新たに作成したものであって、Bは作成に関与していないから、Bが(当該)部分の文章を共同して創作したとはいえない。

だれにでもできる在宅介護事件(東京高判平成10年11⽉26⽇)

・イラストや漫画の制作依頼行為

原告がイラストないし漫画の制作について、参考文献の中から描くべきものを指示したりしたとしても、単なるイラストないし漫画の具体的依頼にすぎず、イラストや漫画の著作行為であるということはできない。

・編集

各人の寄与を分離して個別に利用することができないのならば、共同編集著作行為と認められる。

・分離利用不可能性

イラストと説明文からなり、両者が一体として作成されている本著において、説明文のみあるいはイラストのみを分離して利用することも可能であるので、いわゆる結合著作物に当たり、共同著作物ではない。

職務著作

概要

15条。

従業員等が職務上制作する著作物について、一定の条件下で使用者を著作者とする。

趣旨
  • 従業員が制作し、会社名義で公表した著作物について、会社がそれに対する責任を負い、対外的信頼を得ることが通常
  • 使用者が都度従業員から許諾を得なければならないとすれば、極めて煩雑である
効果

著作者人格権、著作権を原始的に享有する。

要件
  1. 法人その他の使用者の発意に基づく(著作物)
  2. 法人等の業務に従事する者(被使用者)
  3. 職務上作成する著作物
  4. 法人等が自己の著作の名義の下に公表するもの
  5. 作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り

(1)作成のイニシアティブが使用者側に存するか

業務計画に沿って業務を行った場合。

従業員がアイディアを出し、上司の承諾了承を得た場合。

(2)雇用関係が存在するか

ただし、最高裁判例(RGBアドベンチャー事件,最判平成15年4月11日)は次のように判示:

次の2点について具体的事情を総合的に考慮して判断すべき

①法人等の指揮監督下における労務提供の実態の有無

②労務提供の対価の支払いの有無

(4)法人等が「著作者名」として表示されることが必要

未公表著作物であっても、仮に公表されるとしたら法人等の名義で公表されるものを含む。

映画の著作物の著作者・著作権者

概要

映画の著作物とは、劇場用映画に加え動画全般を含む(放送番組やCMなど)

・16条

・29条

著作者

趣旨
  • 映画は通常多くの人が関与して制作されるものであり、関与の度合いも様々であるから、誰が著作者であるかにつき明確にしておく目的
  • 仮に関与者全員の共同著作物とした場合、利用にあたって全員の合意が必要となり、大きな制約となる
内容
  • 著作者は、その映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者

著作権者

趣旨
  • 映画は通常、製作者が巨額の制作費を投入し、企業活動として製作・公表する形態を取る
  • 映画には著作者の地位に立ちうる多数の関与者が存在し、それらすべてに著作権の行使を認めた場合、映画の円滑な流通を阻害する
効果
  • 著作権のすべてが映画製作者に帰属
  • 対象は映画の著作物
  • 著作者人格権は著作者に残る
要件
  1. 「映画製作者」
  2. 参加約束
  3. 職務著作でないこと

(1) 2条1項10号

マクロス映画事件(東京高判平成15年9⽉15⽇)

「映画の著作物の製作に発意と責任を有する者」とは、…映画の著作物を製作する意思を有し、同著作物の製作に関する法律上の権利・義務が帰属する主体であって、そのことの反映として同著作物の製作に関する経済的な収入・支出の主体ともなる者のことである、解すべきである

(2)口頭、書面問わない

製作委員会方式を採用し、制作委託契約の締結段階で著作権の帰属を明記することが通例

監督らの有する著作者人格権について、当該権利を行使しない旨の契約を締結することが通例

(3)職務著作が成立する場合は29条の適用はない