著作権法⑥

著作権支分権

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各論

支分権総論

要件

  • 著作者の許諾を得て行う場合(63条)
  • 権利制限規定(30条~47条の7)

上記の対象となる場合は、権利侵害にならない。

これらの場合を除き、①法定利用行為 ②依拠性 ③類似性 の3要件を充たすことで著作権侵害となる。

効果

  • 差止め請求(112条)
  • 損害賠償請求(民709条)
  • 罰則(119条)

複製権

21条。

著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

内容

  1. 「再製」
  2. 「有形的」
再製
  • デッドコピー

  • もとの著作物と完全に同一ではないが実質的に同一と評価できるもの

もとの著作物中の創作性が認められる一部分につき上記に該当するものを作成する場合も該当。

形式については、もとの著作物と同じである必要はない(絵画をスキャンしてプリントアウトするなど)

有形的
  • 形あるものに記録する必要

たとえば楽譜につき、それを演奏することで複製権侵害とはならない

注意事項

営利・非営利を問わない

公衆に見聞きさせる目的がなくても権利が及ぶ

身近に行われる複製との調整

  • コンピューターにおけるキャッシュ(47条の4)
  • 私的使用目的の複製(30条)

無形的方法による公衆への提示

上映権・演奏権・口述権・上映権

第二十二条 著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

第二十二条の二 著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有する。

第二十四条 著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する。

「公に」「公衆に」

社交ダンス教室事件(名古屋⾼判平成16年3⽉4⽇)

選撮⾒録事件(⼤阪⾼判平成19年6⽉14⽇)

等を参照

権利制限

非営利・無料・無報酬の場合(38条1項)

展示権

第二十五条 著作者は、その美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を専有する。

「展示会」における利益確保が念頭にある著作物である、美術・写真に限定。

権利制限

所有者等(45条)

公衆送信権

第二十三条 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。

公衆送信の分類

放送/有線放送:公衆からのリクエストを待たず、同一の内容を同時に発信

自動公衆送信:公衆からのリクエストに応じて、自動送信

送信可能化権

「自動公衆送信しうるようにすること」(2条1項9の5)も権利保護の対象である

典型例として、インターネット上へのアップロード。なお、リンクを貼る行為はこれに当たらない(cf.リーチサイト問題)

伝達権

第二十三条

 著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。

放送やネットを介して流れてきた情報をリアルタイムで公衆に見聞きさせる行為。

典型例として、ラーメン屋に設置されたTVでテレビ番組を映すこと、YouTube動画を教材として使用する等。

一旦録音・録画したものを再生する行為は上映権・演奏権の問題となる

身近に行われる伝達との調整

放送・有線放送を非営利・無料で伝達する行為(38条3項前段)

通常の家庭用受信装置を用いた伝達の場合は営利・有償であっても権利制限の対象となる(同項後段)

有体的方法による公衆への提供

頒布権

第二十六条 著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。

 著作者は、映画の著作物において複製されているその著作物を当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有する。

1項:フィルムやデジタルファイルを①公衆に譲渡・貸与する行為、②公衆に提示することを目的として特定・少数の者に譲渡・貸与する行為に関する規定。

2項:映画の著作物において複製されている著作物に敷衍

身近に行われる頒布との調整

中古販売

・市販の映画DVD、ゲームソフト等、公衆に提示することを目的としないものに関して、一旦適法に譲渡されたのちに頒布権が消尽する。(中古ゲームソフト事件(最判平 成14年4⽉25⽇)

・⾮営利・無料の貸与は図書館等が⾏う場合に限り補償⾦付権利制限の対象(38条5項)

譲渡権

第二十六条の二 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。

著作物が記録された有体物を公衆に譲渡する行為。映画の著作物を除く

(映画の著作物は頒布権が対象となる)

身近に行われる譲渡との調整

・一度適法に譲渡された複製物等については、譲渡権が消尽

譲渡を受けた時に譲渡権が消尽していないことにつき善意無過失の者が、その複製物等を公衆に譲渡する場合には、譲渡権の侵害とはならないものとみなされる(113条の2)

・譲渡時において違法複製物と知ってこれを譲渡する⾏為は侵害とみなされる (113条1項2号)

貸与権

第二十六条の三 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供する権利を専有する。

著作物が記録された有体物を公衆に貸与する行為。映画の著作物を除く

(映画の著作物は頒布権が対象となる)

⾝近に⾏われる貸与との調整

・非営利・無償の貸与は権利制限の対象(38条4項)

二次的著作物の創作・利用

翻訳権・翻案権等(=創作)

第二十七条 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。

二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(=利用)

第二十八条 二次的著作物の原著作物の著作者は、当該二次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該二次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。

判例

キャンディ・キャンディ事件(東京⾼判平成12年3⽉30⽇)

原著作物の著作権者は、…⼆次的著作物の利⽤に関して、⼆次的著作物の著作者と同じ内容の権利を有することになることが明らかであり、…控訴人が、二次的著作物である本件連載漫画の著作者として、本件連載漫画の利⽤の一態様としての本件コマ絵の利⽤に関する権利を有することも明らかである以上、本件コマ絵につき、それがストーリーを表しているか否かにかかわりなく、被控訴人が控訴人と同一の権利を有することも、明らかというべきである。

二次的著作物に、原著作物の創作性に依拠しそれを引き継ぐ部分とそうでない部分が存在するのは明らかなことであるが、著作権法がこのような要素を区別することなく上記のように規定するのは、上記両者を区別することが現実には困難または不可能であることが多くこの区別を要求することになれば権利関係が著しく不安定にならざるを得ないこと、二次的著作物である以上、厳格に言えばそれを形成する要素で原著作物の創作性に依拠しないものはありえないとみることも可能であるから、両者を区別せずいずれも原著作物の創作性に依拠しているとみなすことが合理的であるからである。