著作権法⑨

侵害に対する救済

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各論

侵害に対する救済

全体像

  1. 差止請求
  2. 損害賠償請求
  3. その他の請求措置
  4. 刑事罰

1. 差止請求

112条

第百十二条 著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

 著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物、侵害の行為によつて作成された物又は専ら侵害の行為に供された機械若しくは器具の廃棄その他の侵害の停止又は予防に必要な措置を請求することができる。

要件

侵害
  1. 支分権対象行為、依拠性、類似性を満たすこと
  2. 著作権者の許諾、権利制限規定の適用が無いこと
  • 故意・過失の有無は問わない。
  • みなし侵害を含む。
侵害のおそれ
  • 未だ侵害は行われていないが、侵害が発生する蓋然性が高いと認められる具体的事実が存在する場合。

請求内容

  1. 侵害の停止・予防
  2. 侵害組成物の廃棄等侵害の停止・予防に必要な措置

請求の相手方

  • 著作権等を「侵害する者又は侵害するおそれがある者」(物理的行為者)
規範的侵害主体

物理的行為者のほかに当該行為に関与する者で、著作権法上の責任を負わせることが相当と考えられる者

【カラオケ法理】クラブキャッツアイ事件(最判昭和63年3⽉15⽇)

  1. 管理支配性
  2. 営業上の利益

差止請求権の制限

【判例】写真で⾒る⾸⾥城事件(那覇地判平成20年9⽉24⽇ 判時2042号95頁)

出版物の一部に著作権侵害となる写真が掲載されていたことを理由として、書籍全体の差止めを請求した事案。これを権利濫用として認めなかった。

本件初版、本件第2版及び本件第3版がいずれも増刷されておらず(弁論の全趣旨)、本件写真集がさらに出版される可能性が小さいことも併せ考えれば、原告の被告らに対する前記差止め請求は、権利の濫⽤であって許されないというべきである。

プロバイダの責任

  • 著作権法上、ISPが負う責任は明確化されていない
  • 個別事案に応じて判断される
  • プロパイダ責任制限法において、一定の条件下で違法情報を削除した場合において損害賠償を負わない旨規定
  • 「プロバイダ責任制限法著作権関係ガイドライン」

2. 損害賠償請求

  • 民法709条。
  • 相手方は「著作権等侵害により著作権者等に損害を与えた者」
  • 共同不法行為者等については民法719条
  • 直接侵害を行っておらずとも、手段の提供等により損害賠償責任を負うケースがある

損害額の算定

無体物につき逸失利益を算定することは困難である

そのため、114条で損害額の推定に関する規定を置く

1項:侵害者の複製物の譲渡等の数量に基づく損害額の算定

{ (譲渡数量 - 販売できない事情のある数量) * 侵害がなければ販売できた単位数量あたりの利益 } - 販売その他の行為を行う能力に応じた額を超える額

2項:侵害者が得た利益に基づく損害額の推定

侵害者が侵害⾏為により得た利益の額を損害額と推定

3項:利⽤料相当額の請求

適法に使用した場合に必要となるライセンス料相当額を請求できる旨規定

4項:著作権等管理事業者の使⽤料規程に基づく利⽤料相当額の請求

TPP協定整備法により新設

損害の証明を容易にするための措置

  1. 具体的態様の明示義務(114条の2)
  2. ⽂書提出命令(114条の3)
  3. 鑑定人に対する当事者の説明義務(114条の4)
  4. 相当な損害額の認定(114条の5)
  5. 秘密保持命令(114条の6)

その他の請求措置

  1. 名誉回復等の措置請求
  2. 不当利得返還請求(民法703条)
  3. 関税法による差止め

等がある。

4. 刑事罰

119条、120条、122条など。

親告罪。(告訴がなければ公訴の提起が出来ない)

著作権とは私権であるから、その侵害につき刑事責任を負わせるか否かは被害者である権利者の判断に委ねるのが妥当であるから。

ただし、TPP協定締結に伴い一部非親告罪化。(新123条2項、3項)