行政法のうち、行政事件訴訟に関してです。

仮の救済手続き

仮の救済

執行不停止の原則

=取消訴訟を提起しただけでは、処分の効力や執行、手続きの進行を止めることはできない。

無効等確認訴訟にも準用。

処分の効力を停止するための濫訴を防ぎ、行政の円滑な実施を確保するため。

執行停止制度

不可逆的被害の場合…例:海の埋め立て

公有水面埋立免許の取消訴訟を提起しても、裁判確定前に埋め立てが完了しては戻すことは困難

情報公開請求に対する違法な開示決定…事後的な救済は不可能

こういった「重大な損害」を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所が、申立により、処分の執行等の全部又は一部の停止を決定できる旨を定めている(行訴25条2項)。たとえば社会的信用の低下、」業務上の信頼関係の毀損等。

重大性の判断については①回復の困難性②損害の性質・程度、処分の内容・性質を勘案(同条3項)。

但し書き4項。

仮の義務付け、仮の差止め

義務付け訴訟と差止め訴訟の法定に伴い、「仮の義務付け」「仮の差止め」が新設

例えば、生活保護を求める訴訟において、義務付け判決がくだされるまでの期間も取り敢えず給付を受けられる

仮の義務付け、仮の差止めともに①償うことのできない損害を避けるための緊急の必要があること②原告の請求内容について理由があるとみえるとき、裁判所が申し立てにより決定できる

処分取消訴訟の審理

弁論主義:訴訟資料の収集が原告・被告の権能・責任

職権証拠調べ:必要があると認めるときに、職権で証拠調べできる(ただし当事者の主張しない事実まで探索はできない。十分な心証が得られない場合に補充的に認められる趣旨)

釈明処分の特則:原告である国民に比べ、被告側が多くの知識や情報、資料を持つことから。行訴23条の2第一項。

結論の種類

取消訴訟の判決は①却下判決②棄却判決③取り消し判決の3つ。

却下

訴訟要件を充たしておらず、不適法なものとして却下される場合。

棄却

訴えは適法であるが、処分が違法ではないと判断される場合。

取消

本案審理の結果、処分が違法であると判断された場合。処分庁または関係行政庁を拘束する。(行訴33条)第三者に対しても効力を有する(32条1項)

事情判決

処分が違法であるが、取り消しが公共の福祉に適合しないと認められる場合。

例:土地改良区の設立認可取消訴訟。処分を前提に積み重ねられた法律関係を後から覆すことになると、大きな混乱が生じる可能性がある。